「ペプチド」でがん治療 熊本大学で発表

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新しい免疫療法

本来、免疫細胞は体に害を与えるものを排除する役割をもっています。
外から入って来たもの、細菌などアレルギー物質いわゆる異物がそれにあたるものです。

しかし、がん細胞は自分の細胞が変化したものなので、
免疫細胞には異物と判断できずに見逃してしまうことが多いそうです。

免疫細胞が確実にがん細胞を見つけることが出来るようになれば、
腫瘍と呼ばれるほどのカタマリになる前に退治してくれます。

現在様々な免疫療法が研究されていますが、今回また新たに有効な免疫療法について発表がありました。

「ペプチド」でがん治療 熊大が臨床成果2014年11月13日

他に治療方法のない頭頸[とうけい]部のがんに対して、アミノ酸が連なった物質「ペプチド」3種類を投与して、がんを攻撃する免疫力を高め、延命やがん消失の効果を得たとする臨床研究の成果を、熊本大大学院生命科学研究部の西村泰治教授らのグループが12日、米医学誌(電子版)に発表した。ペプチドを使うタイプのがん治療薬は未開発で、同タイプとして世界初の実用化を目指す。

西村教授と同大名誉教授で伊東歯科口腔[こうくう]病院(熊本市中央区)の篠原正徳医師によると、手術や放射線での治療ができない患者37人に対して、3種類のペプチドを混合して注射で投与。すると、投与した患者の生存期間は約4・9カ月で、投与していない患者(18人)の約3・5カ月より長かった。投与した患者のうち1人は、がんが完全に消失して生存中という。

効果が見られた患者では、ペプチドが抗原提示細胞を介して免疫細胞の一種「キラーT細胞」を活性化させていることを確認。活性化したキラーT細胞は、がん細胞の表面に顔を出すペプチドを目印に、がん細胞を攻撃するという。また、キラーT細胞を活性化するペプチドの種類が多いほど、治療効果が高いことも分かった。

3種類のペプチドは、前東京大ヒトゲノム解析センター長で米シカゴ大の中村祐輔教授が、がん細胞の遺伝子を解析して特定した。

現在、国内の製薬会社が医薬品としての実用化を目指して治験中。篠原名誉教授は「ほとんど副作用がなく、患者の生活の質を保てる治療法」と話している。シカゴ大の中村教授は「複数のペプチドの混合が有効なことが分かり、今後のがん治療の方向性を示す成果」としている。(鹿本成人)

熊本日日新聞

ペプチドというのは、いくつかのアミノ酸がつながった構造で、アミノ酸とたんぱく質の中間の性質を持つ成分です。

アミノ酸の種類や数、並び方により無数ともいえる程のペプチドが存在するそうですが、米シカゴ大の中村祐輔教授が、がん細胞がもつ特有のペプチドを特定し、そのペプチドを免疫細胞に攻撃対象として覚えさせることにより、がん細胞を攻撃させるのだそうです。

peputido
①ペプチドを体内に注射

②抗原提示細胞が注射された物と同じ種類のペプチドを異物としてキラーT細胞に教える

③キラーT細胞が同種のペプチドを持っているがん細胞を攻撃

抗原とは、体内に侵入してきた細菌や、ウイルス感染細胞などの異物の表面に存在しており、異物と認識して破壊するための標的となるものです。

抗原提示細胞はその抗原を自己の細胞表面上に提示し、T細胞に攻撃目標と教え活性化する細胞です。

キラーT細胞は異物を攻撃する免疫細胞です。

 
免疫細胞が確実にがん細胞を見つける事が出来るようになれば
体に負担をあまり与えることなく 、がん治療を行うことも夢ではありません。
がん治療もまた確実に進歩しています。

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