毒を以て毒を制す 『ウイルス療法』

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がん細胞に特殊なウイルスを感染させて、そのウイルスががん細胞だけで増殖し、がん細胞を破壊する

抗がん剤化学療法などでは、正常な細胞にもダメージを与えてしまいます。人によってはがん細胞を減らすこともできず、正常細胞だけが傷つき身体にダメージ受けてしまうということもあります。つらい副作用に耐えながら投薬したのにこれではたまりません。
しかし、ウイルス療法ならばそうした欠点をカバーすることができるというのです。

本来がん細胞は正常細胞に比べてウイルス感染に弱く、がん患者が感染症にかかり、がんが治った例も報告されているそうです。

しかしがんが治るかもしれないから、と病気になる危険をおかしてウイルスを体内に注入するわけにもいけません。そこで、研究・開発されたのが『人口ウイルス』です。

正常の細胞では増殖せず がん細胞でのみ増殖するように、ウイルスの遺伝子を組み換えて人工的にがん治療用のウイルスを作り出しました。
現在日本でも研究されており、東京大学では同大医科学研究所脳腫瘍外科教授 藤堂 具紀(ともき)氏が、ヘルペスウイルスの遺伝子を変異させて開発した”G47デルタ”という人口ウイルスを使い試験を行っています。

正常細胞では増えず、がん細胞だけで増える

ウイルスは細胞内で増殖し、外に飛び出すときその細胞を破壊します。これをがん細胞に感染させれば次々増殖してがん細胞を破壊してくれるはず。しかし、正常な細胞に感染すれば病気になってしまうのでは・・・・・・そう考え、このがん治療用のウイルスは作られました。

いったいどのようにして、がん細胞だけで増殖させるのでしょうか。
正常な細胞はウイルスに感染されると、他の細胞に感染が広がるのを防ぐためにそのウイルスもろともに自滅します。しかしヘルペスウイルスは細胞の自滅を阻止することができるのです。

人口ウイルスではその自滅を阻止する機能を取り去りました。よって、正常細胞に取りついた人口ウイルスは正常細胞と共に死んでしまいます。一方がん細胞は壊れた細胞で、自滅機構も壊れています。そのためがん細胞内ではウイルスが増殖できます。その上、がん細胞はウイルスが増殖するのに必要なたんぱく質をたくさん持ってます。

これらががん細胞がウイルスに弱いとされる理由です。

これだけではなく、さらに免疫細胞も利用しようと考えました。本来ヘルペスウイルスは免疫細胞から隠れることができるのですが、この能力も取り去り、免疫細胞が発見し攻撃できるように改良しました。これで、がん細胞ごと排除させようというわけです。

人口ウイルスG47デルタ

東京大学ではすでに臨床試験が始まっています。一日も早く実用化されることを願ってます。

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